冠婚葬祭のマナーvol.74「ご葬儀と多様性 ~直葬って?~」
2024年11月25日 コラム
「かながわ経済新聞」の連載コラム「社長さんが知っておきたい冠婚葬祭のマナー」を弊社ホームページでも公開しております。
社員やそのご家族、または取引先などに不幸があった際の企業としての対応をご紹介しております。
急なご葬儀の際に必要な情報を集めておりますので、ぜひご活用ください。
ご葬儀と多様性~直葬って?~
今回は「直葬」について説明します。
一度は耳にしたことがある言葉かと思います。日本の冠婚葬祭文化は長い歴史の中で地域ごとに異なる風習や形式を発展させてきました。特に葬儀は、地域の伝統や生活習慣が色濃く反映されるため、それぞれの土地で独自の儀式が行われてきました。こうした背景から、葬儀の流れや作法が地域によって異なるのは、地域の文化に根ざしたものだと言えます。
「直葬」とは、主に宗教的な儀式やお別れ会のような告別式などを行わない、火葬のみの別名です。通夜・葬儀、告別式を省略し、シンプルな見送り方として分かりやすく名付けられたのが広く知られるようになりました。
時代の変化に伴い、生活スタイルや価値観、火葬場の事情も変わり、葬儀の形式も多様化しています。十数年前だと、亡くなった翌日には通夜、そして葬儀と、遺族が悲しむ時間がない位に目まぐるしく葬儀が行われていた時代もありましたが、近年首都圏では死亡者数の増加に伴い、火葬場の受け入れ数が足りず、通夜・葬儀が1週間後となる場合も増えました。
そして、コロナ禍の影響もあり、葬儀がより故人の考え方や家族の状況に応じた形で行われ、家族葬や一日葬、直葬(火葬)といった新しい形式も増えています。
いつの時代もご葬儀は人生の大切な節目であり、葬儀社は故人と故人をつなぐ多様なニーズに耳を傾けながら、遺族の不安が解消できるよう、柔軟な対応をする姿勢が大切だと思っています。
(fami友葬・清水ふじ代)